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laboratik 職場で「つながり」を育むための8つの戦略

職場で「つながり」を育むための8つの戦略

皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、職場でのつながり構築について、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「8 strategies for fostering employee connection at work」を日本の読者様向けに訳したものです。

目次

 ・従業員の「つながり」とは?
 ・なぜ従業員の「つながり」が重要なのか?
 ・「従業員のつながり戦略」とは?
   1.従業員の貢献を定期的に称える
   2.カスケード型目標を活用する
   3.地域社会への貢献を促す
   4.節目を祝う
   5.従業員の声に耳を傾ける
   6.明確かつ透明性のあるコミュニケーションを行う
   7.対面での交流の機会を大切にする
   8.「帰属意識」を育む
 ・Culture Ampで「従業員のつながり」を可視化する
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私たちが毎日仕事に向かい、最善を尽くす原動力となるのは、「仲間」「仕事」「会社」からのインスピレーションです。これら3つの要素が組み合わさって生まれるのが「従業員のつながり(Employee Connection)」です。これは、職場における人間関係、共有された価値観、そして感情的な結びつきによって形成されるネットワークを指します。
従業員が会社とつながりを感じると、仕事への満足度や忠誠心、生産性などが向上しやすくなります。
近年では、オフィス勤務、ハイブリッド勤務、完全リモート勤務と、働き方が多様化するなかで、「つながりのある職場」を築くことはより難しくなっています。だからこそ、企業は従業員同士の強固な関係性を育むために、創意工夫と柔軟な適応が求められています。しかし、それに取り組む価値は十分にあるのです。

本記事では、「従業員のつながりとは何か」「なぜ重要なのか」、そして「企業がどのように独自の戦略とカルチャーを築き、従業員とのつながりを深められるのか」について解説します。チームとの関係性を育み、組織の可能性を最大限に引き出すためのヒントをご紹介します。

従業員の「つながり」とは?

従業員の「つながり(Employee Connection)」、あるいは「職場でのつながり」とは、従業員が働く中で築く意味のある人間関係や相互作用のことを指します。従業員が同僚とのつながりを感じられると、自分が何かより大きな存在の一部であると実感できるようになります。この“所属感”は、強いチームを築き、健全な組織文化を育む上で不可欠な要素です。

従業員のつながりには、いくつかの形があります。個々の従業員が結びつく対象は、たとえば以下のように分類できます。

  1. 人とのつながり(People):上司、チームメンバー、他部門の同僚などとの深い関係性。
  2. 仕事とのつながり(Work):意義ある業務や、成長の機会を通じて感じられる結びつき。
  3. 目的とのつながり(Purpose):会社のミッションや価値観、社会に変化をもたらす力への共感。

中には、これらすべての要素と自然につながる従業員もいれば、1つまたは2つにだけ共感するという人もいます。ですが、会社側の取り組みによって、こうした「つながり」を促進することは可能です。

たとえば、社員同士が親睦を深められる社内イベントの開催、継続的なトレーニングや成長支援プログラムの提供、経営層が日々の言動で会社の価値観を体現するようなリーダーシップなど、さまざまな施策があります。

後半では、企業がどのようにして従業員の「つながり」を強められるのか、具体的な施策についてさらにご紹介していきます。

なぜ従業員の「つながり」が重要なのか?

従業員が同僚や仕事、そして会社とのつながりを感じられると、仕事への満足度が高まり、その組織に長く留まる可能性が高くなります。これは、リモート勤務やハイブリッド勤務の採用が進む今、特に重要なテーマです。

実際、Pew Researchの調査によると、リモート勤務やハイブリッド勤務を行っている人の53%が「在宅勤務では同僚とのつながりを感じにくい」と答えています。勤務形態に関わらず、すべての従業員が「大切にされている」「つながっている」と感じられることは不可欠です。

さらに、「つながり」への投資は、ビジネス上の効果も非常に大きいのです。従業員のつながりを強化する取り組みを行っている企業は、以下のようなメリットを享受できます。

  1. より良いチームワーク:チーム内で信頼関係が築かれていると、共同作業が円滑になり、目標達成に向けてスムーズに連携できます。
  2. 定着率の向上:強いつながりは、従業員の会社へのロイヤルティを高め、離職率の低下につながります。
  3. コミュニケーションの改善:従業員同士のつながりは、率直で誠実な対話を促進し、透明性とフィードバックが根付いたカルチャーを育みます。
  4. 生産性の向上:仕事、会社のミッション、チームメンバーとのつながりを感じている従業員は、より意欲的かつ満足度高く業務に取り組む傾向があります。
  5. エンゲージメントの向上:つながりが強い職場では、従業員が「自分らしく」働ける環境が整い、アイデアの発信やイノベーションが生まれやすくなり、自発的な行動も増えます。

「従業員のつながり戦略」とは?

従業員の「つながり」は自然に生まれることもありますが、企業側が意図的に取り組むことで、より効果的に育むことが可能です。こうした職場での取り組みを体系的にまとめたものが「従業員のつながり戦略(Employee Connection Strategy)」です。この戦略は、従業員がチームとの関係を深め、仕事に意味を見出し、自社のミッションの一員であると感じられるようにするための施策群を示します。

もし自社独自の「従業員のつながり戦略」を策定しようとしているなら、まず以下のような観点で各施策を整理する文書を作成することから始めましょう。

  • プログラムの種類
  • 全社的なビジネス目標との関連性
  • コスト
  • 想定されるROI(投資対効果)
  • 対象となる従業員層(職種・属性など)
  • 社内展開・コミュニケーション戦略
  • 成功を測るためのKPI(指標)

このように整理することで、各施策の影響力や、チームの時間とリソースを最も有効に使える取り組みが明確になります。

どんな施策を検討すべきか、まだアイデアが浮かばない場合もご安心ください。このあと、ブレインストーミングのきっかけとなるいくつかの例をご紹介します。

1. 従業員の貢献を定期的に称える

従業員の努力を定期的に認め、感謝の意を示すことは、「つながり」を高めるうえで非常に効果的です。ある調査によれば、表彰制度がある企業では92%の従業員が「自分は評価されている」と感じているのに対し、制度がない企業ではその割合が60%にとどまっています。
このような継続的な称賛は、従業員にとって自身の行動の正当性を実感させ、前向きな行動を強化する働きがあります。その結果、職場の幸福度や「つながり」の実感も向上します。多くの企業は、こうした称賛の取り組みを自社のバリュー(価値観)と結びつけて実施しており、組織文化を強化すると同時に、従業員が会社のミッションとの一体感を感じられるよう工夫しています。

2. カスケード型目標を活用する

従業員が自分の毎日の業務と会社全体の目標とのつながりを理解できると、仕事にやりがいや意味を見出しやすくなります。SMARTERやOKR(Objectives and Key Results)などの目標設定フレームワークを使うことで、従業員は「自分に何が求められていて」「どのような状態が成功なのか」を明確に理解できます。
さらに「カスケード型目標(上位の目標から分解された目標)」を組み合わせることで、従業員は自分の業務がどのように組織のパフォーマンスや成果につながっているかを実感できます。これにより、事業の進捗や成果に対してより深く関与し、つながりを感じるようになります。

3. 地域社会への貢献を促す

地域社会に定期的に貢献することで、従業員が「自分はより大きな目的の一部である」と感じられるようになります。まだ導入していない場合は、定期的なボランティア活動の実施、ボランティア休暇(VTO)の提供、寄付金のマッチング、プロボノ(専門性を活かした無償貢献)などを検討してみてください。

こうした取り組みは、従業員が自社のミッションやバリューに共感し、「この会社で働くことで社会に貢献している」と感じられるようになります。

4. 節目を祝う

誕生日や入社記念日など、従業員の節目を祝うことも、「会社とのつながり」を育む良い方法です。特別な日に休暇を与えたり、ちょっとした報奨金を支給したり、個別のメッセージカードを贈ったりすることで、「自分は大切にされている」と感じられます。

こうした小さな心遣いが、従業員のエンゲージメントを高め、会社への愛着や信頼感を育てるきっかけになります。

5. 従業員の声に耳を傾ける

会社と従業員の間に強い関係性を築くには、「従業員の声を聞き、それを行動に移す」という姿勢を持つことが欠かせません。定期的な従業員サーベイの実施は、従業員の声を聞くための最も効果的な手法のひとつです——ただし、それは「寄せられた意見に対して実際にアクションを起こす場合」に限ります。

従業員が「自分の声が組織を動かす」と信じられるようになれば、率直に意見を伝えるようになりますし、自社とのつながりも深まっていきます。

6. 明確かつ透明性のあるコミュニケーションを行う

コミュニケーションの力を侮ってはいけません。従業員が会社の歩みや成功・課題をきちんと理解できるよう、最新の情報を常に共有することで、「組織の一員としてのつながり」を感じやすくなります。全社ミーティング、社内ニュースレター、チャットツールでの定期アップデートなどは、情報共有に有効です。
また、経営層と従業員の間だけでなく、従業員同士のコミュニケーションが活性化する環境づくりも重要です。以下のような機能を備えたツールへの投資を検討しましょう:

  • プロジェクト管理
  • インスタントメッセージ(チャット)
  • ビデオ会議・音声通話
  • カレンダー共有
  • コラボレーション(共同作業)

これらのツールがあることで、オフィスに物理的に集まらなくても、チーム間でのオープンで誠実なコミュニケーションを保ちやすくなります。場所やタイムゾーンが違っても「つながり」を育む基盤になります。

7. 対面での交流の機会を大切にする

企業の活動範囲が広がり、ハイブリッド勤務やリモートワークが主流になる中で、「対面での交流(face time)」の重要性が一層増しています。たとえ年に数回でも、従業員同士が実際に顔を合わせる機会を持つことは、相互理解を深め、同僚とのつながりを強めるうえで大きな効果があります。
このような対面の機会には、次のような会社主催のイベントが含まれます。

  • オフサイトミーティング(合宿型の会議)
  • チームランチ
  • 研修イベント
  • バーチャルハッピーアワー
  • 誕生日のお祝い など

また、もう一つ重要なのはマネージャーと部下の定期的な1on1ミーティングです。定期的な1on1は、マネージャーとの信頼関係を築き、フィードバックのやり取りを促し、日々の業務が正しく見られ、評価されていると実感するための大切な場となります。
1on1は、従業員がマネージャーとのつながりを深く感じるために欠かせない要素のひとつです。

8. 「帰属意識」を育む

従業員が「このチームの一員として大切にされている」と感じられるような環境をつくることが、組織の文化形成には不可欠です。誰もが自分らしくいられる職場文化を築くには時間がかかりますが、以下のような具体的な取り組みを通じて、その第一歩を踏み出すことができます。

  • 新入社員バディ制度の導入:入社初期に仲間を見つけやすくし、早期に職場に馴染めるようサポート
  • 社員リソースグループ(ERG)の設立:共通のバックグラウンドや関心を持つ仲間とつながる場を提供
  • インクルーシブな祝日の祝い方:多様な文化や価値観を尊重する機会をつくる
  • ジェンダー代名詞の明示:メール署名やチャット・ビデオ会議ツールにおいて代名詞(例:彼/彼女/theyなど)を表示する文化を促進

これらの取り組みを通じて、多様な背景を持つすべての従業員が「見られ、尊重されている」と実感できる、インクルーシブな職場文化を醸成することができます。そして、それこそが真の「従業員のつながり」を築く力となるのです。

https://note.com/embed/notes/ncbc82cc82a2b

Culture Ampで「従業員のつながり」を可視化する

「従業員のつながり(Employee Connection)」は、その性質上、定量的に把握・報告するのが難しいテーマです。しかし、Culture Ampのピープル・エクスペリエンス・プラットフォームを活用すれば、このような一見抽象的に思える職場の要素も、測定・追跡可能なデータとして扱うことができます。Culture Ampが提供する一連のツールは、以下の3つの領域を重点的にサポートしています。

  • エンゲージメント(Engagement)
  • パフォーマンスマネジメント(Performance Management)
  • 人材開発(Development)

この3つの柱をバランスよく強化することで、生産性の向上、イノベーションの促進、そして従業員が「自分らしく働ける」職場文化の醸成が可能になります。結果として、従業員が仕事、仲間、そして企業そのものと深くつながる環境が実現されていきます。

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