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静かな退職(Quiet Quitting)への向き合い方

皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、何度か日本でも取り上げられている、静かな退職について、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「How to address quiet quitting」を日本の読者様向けに訳したものです。

目次

  1. 静かな退職とはどのようなものか?
  2. 静かな退職が生まれる背景
  3. 従業員が求める信頼と価値の一致
  4. 組織が従業員をより効果的に動機づけるために
  5. スポットライト:従業員の学習と成長(Learning & Development)
  6. 関連記事
  7. 関連リンク

より良いワークライフバランスを求める中で、「静かな退職(Quiet Quitting)」は近年、従業員の間で広がりを見せています。
優先順位の変化に後押しされ、従業員は「ハッスル(がむしゃらに働く)」という考え方から距離を置き、新しい働き方の環境に適応しながら、仕事と私生活の境界線を明確にしようとしています。

https://note.com/embed/notes/n2668fe060486

本記事では、「静かな退職」が注目を集める背景にある理論を紐解きながら、組織がどのように従業員エンゲージメントを高められるのかを探っていきます。


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静かな退職とはどのようなものか?

静かな退職は、変化が非常に微妙であるため、見分けが難しい現象です。
心理学的な理論に根ざしたこの行動は、職場環境への反応として従業員が仕事から一歩引く「撤退行動」として捉えられます。
ここで言う「退職」とは、実際に会社を辞めることではなく、「必要以上に頑張ることをやめる」という意味です。
たとえば、

  • 勤務時間外の会議を断る
  • 自らプロジェクトを選別する
  • 契約上求められる最低限の成果だけを出す

といった形で現れます。
そのため、静かな退職の姿は従業員によって異なります。

静かな退職が生まれる背景

この現象が注目され始めたのは、TikTokやInstagramなどのSNS上でした。
職場に関するコンテンツを発信するインフルエンサーたちが、バーンアウト(燃え尽き)に悩む人々に新たな視点を与えたのです。
さらに、リモートワークの普及によって一人の時間が増えたことも重なり、多くの従業員が立ち止まって「自分にとって何が大事か」を見直すようになりました。

パンデミックの影響で、多くの企業もまた、組織としての優先事項を見直さざるを得ませんでした。
激しい変化の時期を乗り越える中で、従業員の「承認」や「成長支援」は後回しになってしまったケースも少なくありません。

実際、成長機会がないと感じる従業員は、翌年に仕事を辞める可能性が2倍に上がるといわれています。
そして、辞めずに残った人たちも、認められない経験の積み重ねが「静かな退職」につながる可能性があります。

Culture Ampのピープルサイエンスディレクターであるケネス・マトス氏は、こう語ります。

「従業員は、自分の努力と得られる報酬が釣り合っているという感覚を取り戻したいのです。
もし“得られるもの”を増やせないなら、“注ぐ努力”を減らす方向に動くでしょう。」

— ケネス・マトス(Kenneth Matos)
Culture Amp ピープルサイエンスディレクター

従業員が求める信頼と価値の一致

労働市場は変化しており、従業員は「自分の価値観と合う組織」を見つけられるようになっています。
つまり、もしあなたの会社がその価値観に合っていなければ、従業員は他の組織を選ぶことができます。

マネジャーは、従業員一人ひとりの成長を本気で後押ししているでしょうか?
会社は、変化を起こしている個人をきちんと認識しているでしょうか?
こうした問いに真摯に向き合い、自社固有の課題に対処することこそが、エンゲージメントを維持する鍵です。

組織が従業員をより効果的に動機づけるために

Culture Ampのリード・ピープルサイエンティストであるロザ・ヤンコビッチ氏は、次のように指摘します。
「多くのマネジャーは、従業員をサポートしようとするあまり、過剰に介入して“マイクロマネジャー(過干渉型管理者)”になってしまう傾向があります。」
しかし、それは本来の意図とは反対の効果を生み出し、管理や上下関係を強める職場環境を作り出してしまいます。

重要なのは、従業員に自ら意思決定する力を与えることです。
自律性があることで、従業員は自分の仕事に対して「当事者意識」を持ち、エンゲージメントの向上につながります。
また、従業員が「自分は信頼され、価値ある存在として扱われている」と感じられるほど、職場での信頼関係も深まります。

もうひとつ、組織が信頼を築くうえで効果的なのが、「定期的な従業員フィードバックサーベイ」です。
サーベイは、従業員の声を聞く姿勢を示すだけでなく、HRチームが従業員のモチベーションを高める主要因を特定する助けになります。

さらに、サーベイの結果を共有することで、従業員は自分たちの意見が反映されていることを実感し、職場とのつながりや一体感、帰属意識が強まります。
こうしたプロセスは、会社と従業員の関係性を「取引的な関係」から「信頼に基づく関係」へと変えていくのです。

組織の現状をより深く理解するために、Culture Ampのピープルサイエンスチームは、以下の設問に対する従業員の回答を測定することを推奨しています。

  1. この会社は、私が自分の成長に貢献できる素晴らしい組織である。
  2. 私の仕事は、より大きなビジョンやミッションの実現に貢献している。
  3. 組織のリーダーたちは、人を大切にしている姿勢を示している。

これらの情報は、HRチームがどの領域に注力すれば最も効果的な改善につながるのかを把握する手がかりとなります。
従業員は、自分の仕事が長期的なキャリア目標の達成に結びついていると感じているでしょうか?
会社の価値観やミッションに共感しているでしょうか?
経営層や直属の上司を信頼しているでしょうか?

もしこれらの問いに対する回答が否定的である場合、優秀な人材の定着は難しくなるでしょう。

スポットライト:従業員の学習と成長(Learning & Development)

リサーチによると、従業員の学習と成長(L&D:Learning and Development)は、従業員満足度を示す最も重要な先行指標のひとつです。
つまり、「従業員の成長機会」を提供することこそが、静かな退職(Quiet
Quitting)の流れを断ち切るための大きな鍵となるのです。


Quiet Quittingは、“心の退職”とも言えます。
人事がそのサインに気づけたとき、組織はもう一度動き出します。

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https://note.com/embed/notes/nedd7e6a10059
https://note.com/embed/notes/n6442c7a41931

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