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従業員の燃え尽き症候群を見極めて対処する方法

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皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、従業員のバーンアウト(燃え尽き)について、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「How to recognize and reverse employee burnout」を日本の読者様向けに訳したものです。

目次

  1. 従業員の燃え尽き症候群の兆候に気づく
  2. 従業員の燃え尽き症候群とエンゲージメントの関係
  3. 従業員の燃え尽き症候群を克服するには
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燃え尽き症候群(バーンアウト)は、突然の人生の出来事として描かれることがよくあります。たとえば、目の下にくまを抱え、疲労困憊でほとんど機能しない人のイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし、実際にはそれだけではありません。ストレスや健康状態の悪化がバーンアウトへの入り口となります。これは時間をかけて積み重なっていくものです。バーンアウトとは、長期的なストレス反応の結果として現れる、身体的または精神的な不調の状態を指します。

燃え尽き症候群(バーンアウト)は、シニアな管理職職や看護師、医師のような医療従事者のように精神的に負担の大きい職業の人々だけが経験するものだというのも、よくある誤解です。バーンアウト自体は、非常に深刻な課題であり、今日では幅広い業界や職種にわたって多くの従業員に影響を及ぼしています。特に、私たちの社会全体が不確実性の中で働き続けている現状では、その影響はさらに顕著になっているのです。

米国心理学会の「2022年仕事と幸福度調査」(注:英語サイト)によると、「労働者の10人に7人(71%)は、雇用主が以前よりも従業員のメンタルヘルスに関心を持っていると考えています。この新たな焦点は、従業員から高く評価されています。実際、81%の人々が将来の就職先を探す際に、メンタルヘルスをサポートする職場を選ぶ」いった結果を報告しています。しかし、マッキンゼーの調査 (注:英語サイト)によると、このような新たな注目にもかかわらず、2022年には従業員の4分の1以上が燃え尽き症候群の症状を感じていると報告しています。

この記事では、従業員の燃え尽き症候群の警告サイン、従業員エンゲージメントとの関連、そして職場がどのようにして燃え尽き症候群を予防し、さらにはどのように改善できるかについて探っていきます。

https://note.com/embed/notes/na5a7bc143748

従業員の燃え尽き症候群の兆候に気づく

燃え尽き症候群は、従業員の肉体的、精神的、感情的状態に影響を及ぼす可能性があります。

身体的影響
従業員が病欠を増やしたり、異常に疲れた様子で出社していることに気づいていますか? これらは燃え尽き症候群の兆候である可能性があります。燃え尽き症候群の従業員には、以下のような症状が見られます:

  • 頭痛
  • 疲労
  • 息切れ
  • 食欲不振と食習慣の変化
  • 病気や欠勤の増加
  • 不眠症

精神的な影響
精神的に燃え尽き症候群になると、常に心配事が生じ、しっかりと集中が保てなくなります。症状には以下のようなものがあります:

  • 注意が散漫になったり、注意力の低下する
  • 生産的に仕事ができない
  • ワークライフバランスが保てなくなる
  • 決断力が欠如する
  • やる気が欠如する

感情的な影響
感情的になると、人はイライラしやすくなり、対人コミュニケーションがうまくいかなくなります。たとえば、燃え尽きてしまった従業員は、以下のような特徴を示すようになるかもしれません:

  • 皮肉っぽくなる
  • 人との接触を避けようとする
  • イライラする
  • 衝突や辛辣な発言が増加する
  • 感情の起伏が激しくなる(例:いつもより動揺したり、涙もろくなったりする)

全体的に、普段のその人らしくないだとか、その人の態度が急に変わっていないかに注意を払いましょう。
次のようなフレーズから、早期の兆候を見つけることができます:

  • 「最近、自分らしくない感じがする」
  • 「この繁忙期を乗り切ったら、あとはゆっくりできる」
  • 「ただ疲れているだけ。きっと休暇をとれば治るだろう」

このような状況に気がつくためにも、皆さんのチームメンバーとオープンに何でも言い合える関係を築いておくことが、メンバーがストレスを抱えた状態から燃え尽き症候群へと移行しているのではないかーそんな行動の変化に気づく助けになるのです。

従業員の燃え尽き症候群とエンゲージメントの関係

エンゲージメントと燃え尽き症候群の関係は一筋縄ではいきません。ストレスの多い人々が非常にエンゲージメントが高いように見えることがあるからです。これは私自身の経験からも明らかです。筆者はロンドンで働いていましたが、仕事量、勤務時間、そしてコミットメントが次第に増えていきました。その時は気づきませんでしたが、筆者のワークライフは完全に崩れてしまっていたのです。

筆者は、友人から平日の夜に夕食を一緒にどうかと誘われると、腹立たしく感じたことを覚えています。(いつもの自分とは対照的に)筆者はずっとまじめになりました。しかし、髪が抜け始めるまでは、何かおかしいと気づきませんでした。そこで、筆者は健康に関するコーチングを受けながら仕事を再開し、燃え尽き症候群の認識と回復に関心を持ち始めたのでした。

このような状態の間、筆者はまだ仕事に意欲的な状態だった(エンゲージしていた)と言えたのです。エンゲージメントの高さとウェルビーイングの高さは必ずしも一致するわけではありません。エンゲージメントが高くても、ストレスを強く感じている場合もあれば、燃え尽き症候群になりかけている場合もあります。こういった状況は、雇用主が理解せねばならない重要な違いでもあります。Culture Amp社がウェルビーイングのアンケートを作成した理由の一つも、こういったエンゲージメントの高さとウェルビーングの高さが必ずしも合致しない、という前述の説明に尽きます。

ウェルビーイングに関する従業員アンケートを実施することで、社内のウェルビーイングの状態(健康経営の状況)を測定し、従業員がより健康で、より幸せで、より生産的になるために必要な対応を取ることができます。

従業員の燃え尽き症候群を克服するには

従業員の燃え尽き症候群を防ぐためには、もちろん兆候を知り、悪化する前に対策を講じることが重要です。上記の3つの兆候に加え、1 on 1 ミーティングで社員のストレスレベルを把握しましょう。以下の簡単な質問で、その人の健康状態について多くを知ることができます:
「最近の体調はどうですか?」
「先週の状況を教えてください。」

チームメンバーが燃え尽き症候群に陥っていると感じたら、すぐに対策を講じる必要があります。燃え尽き症候群に苦しんでいる人は、仕事に対する視野を失い、仕事がすべてを占めてしまうことがよくあります。マネージャーができる最も効果的なサポートは、従業員が回復するために必要な時間を確保できるようにすることです。仕事から一旦離れ、健康に集中することが、回復への第一歩となります。

また、次のような点も検討できます:

  • 仕事の見直し:従業員が十分にサポートされていると感じているかどうかを確認しましょう。もしサポートが足りていない場合は、仕事量をうまく管理するために必要なリソースや支援を一緒に考えてみてください。
  • 健全な(仕事とプライベートの)境界線を設定できるようにサポートする:従業員は退勤後でも仕事のメッセージに返信しなければならないと感じていませんか?休憩を取ることや、誰かに手伝いを求められたときに「ノー」と言うことが難しいと感じていませんか?従業員と率直に話し、どのようにサポートできるかを考えてみましょう。

成長が速く、スピード感のある状況では、人々が提供できるものを最大限に求められることが多いので、従業員自身(とそのマネージャー)が仕事とプライベートの境界線を設定し、現実的にメンバーに何を期待するかを明示することが重要になります。筆者がよく言うのは、燃え尽き症候群のリスクは常にそして誰にでも起こりうることと考えることです。こういうと、不安を与えたり、恐怖を煽ったりするかもしませんが、そうではありません。ただ、皆さんが、継続的に自分をケアしてく重要性を改めて考えていただきたいと思ってのことでした。自分のリフレッシュ方法をいくつか持っておき、ストレスを感じたときに活用できるだけでも違います。自分を元気にする方法を知り、それを日々のルーティンに取り入れてみてください。

燃え尽き症候群を防ぐために、日常生活に取り入れることができる習慣をいくつかご紹介します:

  1. 質の良い睡眠を最優先する
    寝る前にリラックスできるルーチンを作り、体を落ち着かせて、十分に休養をとる準備をしましょう。
  2. 自然の中で過ごす
    緑地には心身のリフレッシュ効果があることが科学的にも証明されています。外に出て自然の中で過ごす時間を確保しましょう。
  3. 精神的な休息をとる
    日中にリラックスする時間を設けましょう。メールやSlack、仕事関連のことは一切チェックせず、友達と話したり、外に出て5分間だけ目を閉じるなど、自分をリセットする時間を大切にしてください。
  4. 仕事後はPCや会社スマホを見ない
    仕事が終わったら、しっかりと「仕事モード」とプライベートを切り替えましょう。たとえば、Slackの通知を勤務時間中だけ受け取るように設定します。もし、仕事から完全に切り離すのが難しい場合は、家族などに頼んで、仕事用のノートパソコンやスマホを「ロック」してもらうことも検討してみましょう。
  5. 自分を振り返る時間を持つ
    日々の忙しさの中で、自分の感情や目標、必要なことについて振り返る時間を設けます。今やっていることが自分にとって効果的か、またはセルフケアやウェルビーイングをもっと優先させる必要があるかを考える時間にしましょう。

自分に合った休養法を見つけ、それを活用して自分の気持ちの変化を定期的にチェックすることをお勧めします。たとえば、筆者は毎週ヨガをするのですが、1週間休んでしまうと、「何かあるな」と感じられるようになりました。これにより、自分の健康状態をしっかり把握でき、過度なストレスを避けることができています。自分を保つためには、忙しく過ぎるだけの生活ではなく、バランスの取れた生活を築くことが大切だと考えています。筆者自身、他にも何で喜びを感じるか、どんなことを学びたいか、進歩を感じられるものは何か?と常に考えています。新しい趣味を見つけたり、ボランティアをしたり、何か新しい取り組みや練習するのも一つの方法でしょう。自分に合った方法で試し、新しい風を生活に取り入れていきましょう。

仕事は素晴らしい意味や目的を与えてくれますが、それだけが全てではないーーそんな風に筆者は考えています。

*本記事は2019年3月3日に掲載されたものに、2023年4月5日、新規の情報を加えて更新されています。

《この記事に関するお問い合わせ》
ラボラティック株式会社 広報担当
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