
有意義な従業員エンゲージメントに1on1が不可欠な理由

皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、プロフェッショナルとしての成長に欠かせない1 on 1ミーティングについて、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「Why 1-on-1s are central to meaningful employee engagement」を日本の読者様向けに訳したものです。
目次
- プロフェッショナルとしての成長
- 信頼関係
- パフォーマンス
- 敏捷性(アジリティ)
- まとめ
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- 関連リンク
1 on 1ミーティングは、直属の部下と週次で進捗を確認するだけの場ではありません。従業員エンゲージメントにおいて大きな役割を担っており、従業員が上司の期待に応え、さらにそれを上回る成果を出すために必要となるコミュニケーション、方向性の提示、そしてつながりを得る大切な機会となるのです。
マネージャーにとっても、このミーティングは同様に重要です。直属の部下と腰を据えて話し合い、個人的な状況を把握したり、キャリア成長について話し合ったり、進捗を確認して課題を洗い出したりする絶好の機会となります。
1 on 1ミーティングで最も難しいのは、あなたと従業員が限られた時間を最大限に活かせるよう、ミーティングの構成をしっかり整えることです。30分ほどの時間しかない中、アジェンダにない話題へ逸れてしまう余裕はあまりありません。とはいえ、各メンバーに合った進め方を工夫すれば、コーチングや指導、チームとしての一体感を適切に提供しつつ、充実した時間を作ることが可能です。
ここでは、「1on1ミーティングで毎回尋ねるべき質問」から「よくある失敗例とその回避策」まで、直属の部下との1on1を効果的に進めるために必要な情報をすべてまとめました。
プロフェッショナルとしての成長
ミレニアル世代の87%が「仕事での成長や専門的なキャリア開発」を重視していると言われるように、日々の対話の中でキャリアアップや専門的成長の機会を意識的に取り入れることは欠かせません。1 on 1ミーティングは、個人的な成長やプロフェッショナルとしての成長について、カジュアルにもフォーマルにも話し合える絶好の機会です。
マネージャーとしては、直属の部下に継続的なフィードバックを行い、スキルの乖離や改善の余地を特定することが重要です。そうすることで、従業員は特定のスキル開発に集中したり、自分の成長領域を意識して克服しようとしたりできます。また、このミーティングでは、今後のプロジェクトの計画を立てたり、従業員の興味分野に合った業務を割り当てたり、新しいスキルを学ぶ機会を与えたり、シニアリーダーとの交流を増やしたりすることも可能です。
従業員がどのようにキャリアを築いていきたいかを理解するために時間を投資することで、マネージャーは従業員のモチベーションを高め、より適切な支援を行う方法を把握できます。マネージャーは、従業員が成長に必要なリソース(機会)を得られるようにし、会社が従業員のキャリア開発に積極的に取り組んでいると感じてもらう上で欠かせない存在でもあります。たとえば、社内でメンターを見つける、ストレッチ課題(今のスキルより少し高いものが求められる、チャレンジングなプロジェクト等)に参画させる、業務外で新しいスキルを学べる外部講座を受講するよう促すなど、さまざまな方法があります。
プロフェッショナルとしての成長に関する追加情報
- 1on1ミーティングで使える優れた質問24選 (英語リンク)
- マネージャー必見:効果的な1 on 1を実現するための究極のチェックリスト(英語リンク)
- ウェビナー:有意義で生産的な1 on 1ミーティングを行うためのベストプラクティス(英語リンク)
- eBook:共感力を活かした1 on 1ミーティングのガイド(英語リンク)
信頼関係
1 on 1ミーティングは、従業員と個人的に親しくなる絶好の機会です。本音レベルで現在の状況などを尋ねられる場があることで、従業員は個人的な問題や悩みを相談しやすくなります。
たとえば、家庭の事情が原因でパフォーマンスが落ちている場合、状況を把握しておくことで、従業員にも会社にもメリットのある解決策を一緒に探しやすくなります。具体的には、日中に子どものお迎えができるような柔軟な勤務スケジュールを整えたり、オフィス勤務が基本の会社であっても必要に応じて在宅勤務を認めたりするなどの対応が考えられます。これにより、子どもが急に体調を崩した時なども、従業員が慌てて他の人に子どもの面倒を頼む必要がなくなるでしょう。
とはいえ、1 on 1ミーティングがいつも気軽な雑談で終わるとは限りません。場合によっては、従業員と厳しい話題を扱うこともあります。こうした状況に直面したときこそ、共感を持って接することが大切です。話題には柔らかくアプローチし、印象や思い込みではなく客観的な事実に基づいて、従業員を適切な解決策へ導きましょう。
信頼関係に関する追加情報
パフォーマンス
四半期や年次の評価だけでは、プロジェクトの進捗や目標の達成状況を把握するには遅すぎる場合があります。1on1ミーティングを導入することで、毎週もしくは隔週のペースで状況を確認し、従業員が目標を順調に達成できそうか、それとも遅れそうかをより早い段階で把握できるようになります。これによって従業員には責任意識が生まれ、疑問や懸念が生じたときにもすぐに対処し、プロジェクトの範囲や方向性に変更があった場合でも常に最新情報を得られます。また、パフォーマンスが低下している従業員を早期に把握することで、遅れの原因を突き止め、どのようにサポートできるかを一緒に検討することが可能になります。
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敏捷性(アジリティ)
(注:「アジリティ」とは、変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる力を指すビジネス用語です。)
1 on 1ミーティングのもう一つの利点は、チームの敏捷性を高められることです。毎週や隔週で進捗を確認することで、問題が発生した際に素早く対処でき、大きなプロジェクトの進行が滞るリスクを減らせます。こうしたチェックインを定期的に行うことで、障害を早期に洗い出して取り除き、プロジェクトをスムーズに進め、決められた納期を守ることが可能になります。
さらに、プロジェクトの範囲や方向性を変更する必要が出てきたときも、当初のアイデアから簡単に方針転換(ピボット)し、プロジェクトを拡大・縮小したり設計を変えたりする方法を話し合いやすくなります。また、従業員一人ひとりの業務量を把握し、だれがより多くのサポートを必要としているのか、逆にサポートできる余裕があるのかを掴みやすくなります。これにより、チームのリソースを適切に割り振り、プロジェクトをより早く完了へ導くと同時に、目標へ向けて効率よく業務を進められるようになるのです。
敏捷性(アジリティ)を高めるためのその他のリソース
- 1 on 1ミーティングを戦術的パフォーマンスにとどまらない内容にするために(英語リンク)
- 1 on 1における「共有の責任感」を促進する重要性(英語リンク)
- 1 on 1ミーティングの重要性
https://note.com/embed/notes/nea76734b8cd6
まとめ
毎週30分のミーティングでこれだけの内容をすべてカバーしようとすると、大変そうに思えるかもしれませんが、心配はいりません。実際、毎週すべての項目に触れられるわけではなく、それで問題ありません。1 on 1ミーティングは、あなたと従業員が主体となって動的に進めるものだからです。
毎週のアジェンダは、進行中のプロジェクトや優先事項、そしてビジネスや従業員のニーズによって変化し、進化していくでしょう。ただし、ここで紹介した4つの核心要素については、少なくとも月に1回は必ずカバーするようにしてください。こうすることで、従業員への継続的な投資を行いながら、チームが目標達成に向けて正しい軌道に乗っているかどうかを確認できりゃなるのですから。
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ラボラティック株式会社 広報担当