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laboratik ステイ・インタビュー(定着面談):優秀な従業員をつなぎ止める鍵

ステイ・インタビュー(定着面談):優秀な従業員をつなぎ止める鍵

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皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、従業員との面談や優秀な人材の定着率を高める方法について、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「Stay Interviews: Your key to retaining top performers」を日本の読者様向けに訳したものです。

目次

  1. ステイ・インタビュー(定着面談)とは?
  2. ステイ・インタビューはどのように役立つか?
  3. ステイ・インタビューをどのように進めるか?
  4. 1.) 面談の実施者を決定する
  5. 2.) 従業員を選び、アプローチを行う
  6. 3.) 質問をする
  7. 4.) 話を聞く
  8. 5.) 行動を起こす
  9. 6.) 離職率を予測する
  10. ステイ・インタビュー 優秀な人材を確保するための秘密兵器

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もしあなたの会社の優秀な従業員が辞めないようにする方法があったら……と考えたことはありませんか? 実は、それこそが「ステイ・インタビュー(定着面談)」の役割なのです。

ステイ・インタビューは退職者面談とよく似ていますが、退職予定のない、あるいはまだ退職の意思を表明していない現職の従業員を対象としています。この面談の目的は、従業員定着の秘訣、つまり従業員があなたの会社で働く上で「どんな点を気に入っているのか」、「モチベーションを維持してもらうために会社側が何を変えれば良いのか」を明らかにすることです。

本記事では、ステイ・インタビューが具体的にどのようなものなのか、どのように組織内で活用すれば従業員の定着率向上につながるのか、そしてこれらの面談をどのように進めればいいのかを、ステップごとに解説します。

ステイ・インタビュー(定着面談)とは?

ステイ・インタビュー(またはリテンション面談)とは、現在勤務している従業員に対し、「なぜ自社で働くことを気に入っているのか」「ビジネスやチーム、役割のどこを変えたいと思っているのか」を1対1で話し合う面談です。これらの会話を通じて、個々の従業員がどの程度離職を検討しているか(フライトリスク)を把握し、採用計画やサクセッションプラン(後継者計画)を早めに検討することも可能になります。

ステイ・インタビューと退職者面談は、多くの同じトピックを扱う点で似ていますが、決定的な違いの一つは「誰が面談を行うか」という点です。退職者面談では通常、人事チームが主導し、退職する従業員と直接話をします。一方、ステイ・インタビューでは、従業員の直属の上司またはスキップレベルのマネージャーが会話の中心となります。

この違いは、それぞれの面談の目的にも関係しています。退職者面談の場合、人事チームは「他の従業員を退職に追い込むような根本的な問題がないか」を探りたいと考えます。これに対してステイ・インタビューでは、あくまで「ある特定の個人の従業員体験をより良くするために必要な情報を収集する」ことを目的としています。マネージャーは従業員の日々の業務環境や経験を最も左右できる立場にあるため、従業員の定着を図るこうした面談を行う上で、大きな役割を担うのは自然なことと言えるでしょう。

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ステイ・インタビューと退職面談の違い(Culture Amp社の図表を日本語化)

ステイ・インタビューはどのように役立つか?

ステイ・インタビューが自社に本当に必要かどうか、まだ確信が持てない方もいらっしゃるかもしれません。ですが、優秀な従業員との戦略的な対話には、多くのメリットがあります。具体的には、次のような効果が期待できます。

  • 問題を特定する: 従業員面談は、従業員からフィードバックを収集し、従業員の経験のどのような側面が離職の要因になり得るかを発見するのに非常に有効な方法です。たとえば、非効率なプロセスや不十分なマネジメントあるいは成長機会が不足していることが従業員の不満につながっている場合、それらの問題を早期に把握し、改善することで優秀な人材の離職を防ぐことができます。
  • 解決策を見つける: こうして得られた情報をもとに、問題の原因を解消し、従業員エクスペリエンスを向上させるための具体的な行動を起こすことができます。その結果、従業員が組織で長く健康的なキャリアを築けるようサポートできます。
  • 信頼と忠誠心を築く: ステイ・インタビューを行うことで、従業員の体験を大切に思い、彼らが会社で長期的に活躍し続けられるよう応援している、という姿勢を示せます。これは従業員との信頼関係や忠誠心を高めるうえで大きな役割を果たします。

こうした定着(リテンション)を目的とした会話は、従業員の士気向上に寄与しますが、面談で得たフィードバックをもとに行動を起こさない場合、築き上げた信頼を損ねる恐れがあります。従業員からの意見を踏まえて迅速に対処し、長期的な変化に関しても進捗を共有することで、面談による前向きな勢いを維持し、優秀な人材が満足して働き続けられるようにしましょう。

  • 優秀な人材の維持 : ステイ・インタビューは、特に価値の高い従業員に焦点を当てる際に有効です。彼らが求めるものを理解し、そのニーズを満たす措置を講じることで、長期的に会社に留まる可能性が高まります。

多くの場合、ステイ・インタビューで得られた知見は「ある個人に新しい責任を与える」など、個別の要望を満たすことにつながります。しかし、その中には会社全体の従業員エクスペリエンスを改善するヒントも隠されていることがあります。たとえば、専門スキルを伸ばす機会を増やす必要性や、ワークライフバランスを整えるための追加人員の確保などです。ステイ・インタビューは従業員の声を聞くひとつの手段ですが、定期的にチーム全体を対象にアンケートを実施するなど、士気の変化をモニタリングし、改善の余地を見極める取り組みも合わせて行うと効果的です。

ステイ・インタビューをどのように進めるか?

もしあなたが従業員面談を始める準備ができているなら、もう迷う必要はありません。ここでは、成績優秀な従業員と面接を行うためのステップをご紹介します。

1.) 面談の実施者を決定する

このような面談は人事が担当することもありますが、従業員の直属の上司やスキップレベルの上司が行うほうが、より効果的なケースが多いです。面談を進める人に対して従業員が信頼感を抱いていれば、その分率直な意見やフィードバックを得やすくなります。したがって、従業員が最も親しいと感じている人物を選ぶのもひとつの方法です。

2.) 従業員を選び、アプローチを行う

このような面談は衝動的に行うのではなく、きちんと計画し、プライベートな場で実施することが大切です。まず、従業員に面談の目的を伝え、都合の良いタイミングで正式な1対1のミーティングや電話をスケジュールしましょう。また、あらかじめ面談で使用する質問を伝えておくと、従業員が事前に考えを整理しやすくなります。
面談のタイミングがわからない場合、新入社員の入社から90日後がよく利用される目安ですが、必要性を感じたときにいつでも設定して問題ありません。

3.) 質問をする

いよいよ従業員面談を行う段階です。会話をより充実させるために、Culture Amp社が厳選した質問リストを以下にまとめました。

Culture Ampのおすすめ従業員面談(ステイ・インタビュー)質問リスト

  • この会社で働いていて、一番好きなことは何ですか?
  • 一番嫌いなことは何ですか?
  • チームについて、もし何か1つ変えられるとしたら、それは何だと思いますか?
  • 会社について、もし何か1つ変えられるとしたら、それは何でしょうか?
  • 職場で大切にされていると感じますか? その理由を教えてください。
  • 当社では、自分の仕事が正しく評価されていると感じますか? 理由は何でしょうか?
  • 会社はあなたの専門的な成長に投資していると感じますか? その理由は何ですか?
  • ワークライフバランスについて、どのように感じていますか?
  • 現在やっていないことで、やりたいことは何かありますか?
  • 今すぐ達成したい、最も重要な3つのことは何でしょうか?
  • その目標にたどり着く上で、何が妨げになっていますか?
  • その目標を達成するために、私たちはどのようなサポートを提供できると思いますか?

これらの質問をすべて必ずしも使い切る必要はありません。従業員の回答に応じて、彼らが本当に話したい方向へ会話を広げていきましょう。

4.) 話を聞く

フォローアップの質問をしたり、相手の答えの背景にある意図を探ったりしても構いませんが、会話の主導権を握りすぎないよう注意しましょう。質問を投げかけたら、一度黙って従業員の話をしっかり聞くことが大切です。従業員の同意があれば、会話の詳細をメモするか録音しておくと、後から内容を振り返りやすくなります。

5.) 行動を起こす

面談の中で最も大変なのは、この「行動を起こす」ステップです。たとえば、有給休暇の取得を奨励したり、フレックス制度などの柔軟な働き方を推進したり、部門横断のチームで働ける機会をつくったり、興味のある分野の新プロジェクトにアサインしたりと、従業員のモチベーションを維持するための具体的な施策を検討しましょう。面談で話し合った次のアクションについては、従業員に進捗状況を随時共有し、彼らの成長が組織の最優先事項であることを再確認してもらうことが重要です。

6.) 離職率を予測する

最後に、面談の内容をスプレッドシートなどに記録し、各従業員の離職リスクをランク付けします。一般的には「緑(グリーン)・黄(イエロー)・赤(レッド)」といったシステムが使われ、たとえば、

  • : 少なくとも1年は在籍しそう
  • : 6~12カ月程度は在籍しそう
  • : 強い不満を抱えており、他の職を探している可能性が高い

といった具合です。これらの評価をもとにフライトリスクを管理し、後継者育成プラン(サクセッションプラン)を早めに立てることができます。

また、このシステムを使って半年後や1年後に再度面談を行い、改善施策の成果を測定することも有効です。たとえば、ワークライフバランスの問題で「赤」と評価された従業員に、チームメンバーを増やすなどの対策を行った後、再面談をして「赤」から「黄」や「緑」に変化したかを確認するわけです。こうした再面談を通じて、ステイ・インタビューが実際にどの程度効果を発揮しているかを測り、従業員定着率の向上に積極的に取り組んでいることを示すことができます。

ステイ・インタビュー 優秀な人材を確保するための秘密兵器

卓越した従業員体験を構築するために最も大切なのは、従業員の声に耳を傾けることです。ステイ・インタビューは、優秀な人材と直接つながり、彼らの悩みや要望を把握し、より良い職場をつくるために行動を起こす“もうひとつの手段”と言えます。従業員が長期的にキャリアを築ける環境を整えることこそ、従業員定着の鍵となるでしょう。

従業員の離職率をさらに下げる方法をお探しですか?
Culture Ampを活用すれば、離職を予測し、定着率を高め、従業員が成長し続けられる環境づくりのヒントを得ることができます。

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ラボラティック株式会社 広報担当

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