AIリーダーシップ・コーチングとは何か、そしてそれがより良いマネジャーをどう支援するのか
皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、AIを活用したマネジメント育成について、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「AI leadership coaching: What it is and how it supports better managers」を日本の読者様向けに訳したものです。
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目次
- AIリーダーシップ・コーチングとは具体的に何か?
- 効果的なリーダーシップの力を理解する
- 明確さと方向性の共有
- 従業員エンゲージメント
- 従業員の定着率
- モチベーションと業績
- キャリアの成長と発展
- AIリーダーシップ・コーチングの利点とは?
- 高いパーソナライズ性
- いつでも利用可能
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効果的なマネジャーの重要性とその影響力を、いくら強調してもしすぎることはありません。しかし、優れたリーダーシップは自然に生まれるものではありません。マネジャーが強く有能なリーダーであり続けるためには、継続的なリソースとトレーニングが欠かせないのです。
近年では、マネジャートレーニングといえば、退屈なスライド資料や時折行われるセミナーに頼る必要はなくなっています。AIリーダーシップ・コーチングは、高品質でパーソナライズされたコーチングを、マネジャーが「いつでも・どこでも・どのような形でも」受けられるようにするものです。
AIリーダーシップ・コーチングとは具体的に何か?
リーダーシップ・コーチングとは、人々が自己認識・自信・リーダーシップスキルを高め、チームを効果的にマネジメントできるよう支援することを目的としています。AIリーダーシップ・コーチングも同様の目的を持っていますが、その実現に人工知能(AI)を活用し、簡単かつオンデマンドでコーチング体験を提供する点が特徴です。
従来のコーチングでは、通常は人間のコーチとの予約制セッションに依存します。しかし、AIを活用したコーチングでは、必要なときにいつでも実施できるため、マネジャーは勤務時間中を通して、自分に合わせたコーチングとサポートにアクセスすることができます。
たとえば、あるマネジャーが部下に対して業績改善のための難しい話し合いを控えているとします。AIコーチングプラットフォームは、マネジャーが状況を振り返り、さまざまなシナリオをシミュレーションし、適切な言葉づかいを提案し、ガイド付きのロールプレイを通じて、そのような高リスクの会話をスキルと共感をもって対応できるよう支援します。
AIコーチングは、マネジャーの次の行動を考える上での助けになりますが、最終的に何を取り入れ、どのように実行するかを決めるのはマネジャー自身です。AIコーチはあくまで意思決定のプロセスを導く存在です。
もちろん、人間によるコーチングには独自の価値と適用範囲があります。しかし、生成AIを活用したコーチングツールは、その効果にきっと驚くことでしょう。Culture Ampの「AI Coach」は、10年以上にわたるデータと研究に基づいたリサーチ主導のフレームワークを使用し、リーダーシップ開発とトレーニングにおける実証済みのアプローチを提供しています。
こうした理由から、AIはリーダーシップ・コーチングの実践に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。国際コーチング連盟(ICF)の調査によると、コーチの24%が「AIは次に業界を変革する破壊的イノベーションになる」と回答または強く同意しています(英語リンク)。
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AI×Manager Development ─ AIはマネジャーをどう支援できるか
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効果的なリーダーシップの力を理解する
リーダーシップおよびエグゼクティブ・コーチングの目的は、「より良いリーダーを育成すること」です。しかしそれは、マネジャー個人の成長にとどまりません。効果的なリーダーシップは、組織全体の成功に直結します。具体的には、以下のような要素に直接影響します。
明確さと方向性の共有
84%のリーダーは「自分たちはビジネス目標を効果的に伝えている」と考えていますが、実際にその目標を理解していると感じる従業員はわずか23%しかいません(英語リンク)。従業員が自分の仕事の目的を理解しているとき、より意義のある貢献ができるようになります。リーダーシップ・コーチングは、マネジャーが組織の大きな目標を自チームの日々の業務にどう結びつけるかを学ぶ場でもあります。
従業員エンゲージメント
Culture Ampのデータによると、リーダーシップが従業員エンゲージメントに与える影響は年々高まっています。従業員がマネジャーを信頼し、好意を持ち、関係性を築けていると、仕事への熱意や期待を超えるモチベーションが生まれ、組織へのコミットメントも強まります。
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従業員の定着率
職場環境・カルチャー・従業員体験の形成においてマネジャーは大きな役割を果たしますが、最終的に最も影響力を持つのはリーダーシップ層です。エンゲージメントサーベイでは、「リーダー」に関する設問が「組織へのコミットメント」と最も強く相関します。さらに、研究によると、優れたリーダーの存在は不十分なマネジャーを補うことができますが、その逆は成り立たないことが示されています。また、リーダーの交代はマネジャーの交代よりもコミットメントの低下や離職率の上昇につながる傾向があります。
モチベーションと業績
効果的でないリーダーの下では、従業員は目標や期待が不明確なまま働くことになります。指針を欠いた状態はフラストレーションや不満を生み、モチベーションや士気の低下を招きます。結果として、従業員個人だけでなく組織全体のパフォーマンスも低下します。逆に、従業員が「尊敬できるマネジャー」と働く場合、モチベーションスコアは平均して27ポイント高くなります(英語リンク)。
キャリアの成長と発展
効果的なリーダーは、従業員にとってプロフェッショナルかつパーソナルな成長の入り口となります。彼らは部下の強みを見極め、有益なフィードバックを提供し、チームメンバーのスキルやキャリアの発展を後押しします。残念ながら、46%の従業員が「マネジャーから十分なキャリア支援を受けていない」と感じています(英語リンク)。見過ごされたり評価されないと感じる従業員は、エンゲージメントを失うか、最終的に離職する傾向が高まります。
端的に言えば、「優れたリーダーがいれば、すべてが良くなる」と言えます。チームの幸福度が上がり、業績が向上し、人が長く働きたいと思える職場が生まれるのです。
AIリーダーシップ・コーチングの利点とは?
リーダーシップは、組織におけるあらゆる成果の要です。そして、効果的なコーチングは、マネジャーが自分自身の成長とチームの成功のために必要な「コアスキル」(かつてはソフトスキルと呼ばれていたもの)や知識を育む助けとなります。
ここでは特に、AIを活用したコーチングに焦点を当ててみましょう。従来の1対1型のコーチングと比較した場合、このアプローチにはどのような利点があるのでしょうか。
高いパーソナライズ性
コーチングは「一律で当てはまるもの」ではありません。優れたコーチは、それぞれのマネジャーの目標・課題・学習スタイルに合わせ、時間の経過とともに進化する個別の支援を行います。適切に設計されたAIコーチは、マネジャーがどんな点で最も困っているのかを特定し、その瞬間に最も関連性の高いアドバイスを提供することができます。
いつでも利用可能
マネジャーはしばしば業務量の多さに圧倒され、長時間労働の中で自己成長のためのセミナーや研修に時間を割くことが難しいものです。そうしたリソースは有益ですが、必要なタイミングで常に利用できるとは限りません。AIを活用したコーチングなら、1on1ミーティングや評価面談、難しい会話の前など、「今すぐに必要な瞬間」にアクセスすることが可能です。
スケーラブル(拡張可能)
これまで、コーチングは組織の上層部に限られた特権のように扱われてきました。しかしAIによって、その状況が変わります。新任マネジャーから中堅リーダー、さらには将来のリーダー候補まで、全員に高品質なコーチングを提供できるようになります。しかも、人的リソースやコストを過度に分散させることなく実現できます。
コスト効率が高い
もちろんAIコーチングプラットフォームにもコストは発生しますが、すべてのリーダーに人間のコーチをつけるよりも、はるかに経済的です。AIコーチングは、マネジャーに新しい戦略を学ぶ機会、スキルを磨く場、そして自己成長に集中する時間を、手の届く価格で提供します。
一貫性のあるサポート
AIを活用したコーチングでは、マネジャーが1時間を確保したり、日常業務を中断したりする必要がありません。事前にセッションを予約する必要もなく、既存のワークフローに自然に統合できます。必要なときにすぐ行動につながるアドバイスや洞察を得られるため、コーチングが「年に数回のイベント」ではなく、「日常的な成長習慣」として定着します。これにより、マネジャーの職業的・個人的な成長が継続的に促進されるのです。
AIと人の力を組み合わせ、より強いリーダーシップ開発へ
多くのリーダーが「十分なトレーニングの不足」を成功を妨げる最大の課題のひとつとして挙げています。実際、リーダー層の約4人に1人がそう答えています。
では、リーダーが持つ可能性を最大限に引き出すための最適なコーチング方法を探している組織にとって、どのような選択肢があるのでしょうか。
朗報です。AIコーチングか、従来型の人によるコーチングか――どちらかを選ぶ必要はありません。両者の強みを組み合わせることができるのです。
AIコーチングは、オンデマンドでパーソナライズされたサポートを大規模に提供します。一方で、人が主導するトレーニングや研修は、感情の機微を理解し、深く傾聴し、共有経験から生まれるつながりを築くことができます。
AIコーチングを「継続的な支援システム」として考えてみてください。これは、既存のリーダーシップ研修を強化し、その場での気づきを促し、日々の成長を後押しする仕組みです。そして、その舵を取るのは常にマネジャー自身です。一方で、人によるトレーニングは、より高度なリーダー育成、文脈理解が必要なケース、あるいはリーダー自身の盲点を探るようなセッションに焦点を当てることができます。
このハイブリッド型アプローチにより、より一貫性があり、バランスの取れたリーダーシップ・コーチング体験が実現します。マネジャーが「今いる場所」で支援を受けながら、「なりたいリーダー像」に向かって成長できる環境を整えることができるのです。
最適なAIリーダーシップ・コーチングプラットフォームを選ぶには
すべてのAIコーチングツールが同じように作られているわけではありません。あなたの組織にとって、本当にリーダー・従業員・そしてチーム全体に効果をもたらすプラットフォームを選ぶことが重要です。
検討時に確認すべき、いくつかの重要な質問を紹介します。
1. 現実的な課題に基づいたパーソナライズド・コーチングを提供しているか?
各マネジャーのニーズに合わせて柔軟に対応できるコーチングを探しましょう。テンプレート化された助言や一般的なリーダーシップのヒントを提示するだけのツールでは不十分です。
適切なAIコーチングツールは、マネジャーの内省を促し、経験レベルや状況に応じた示唆を提供し、実際の業務場面でベストプラクティスを適用できるよう支援します。
確認すべきポイント:
- プラットフォームはマネジャー個人のレベル・目標・フィードバックに合わせて適応していますか?
- さまざまなリーダーシップシナリオに応じて内容を調整できますか?
- 進捗を時系列で追跡したり、重要な学びを再確認できますか?
2. 研究や実証されたフレームワークに基づいているか?
アドバイスの根拠が不明確なツールでは、信頼性の高いリーダー育成はできません。選ぶべきは、信頼できるコーチング理論・フレームワーク・データを活用し、高品質で一貫した支援を提供するプラットフォームです。
確認すべきポイント:
- AIはどのようなコーチングモデルやメソドロジーに基づいていますか?
- AIの背後にあるコンテンツやフレームワークは、誰が設計・監修していますか?
3. 日常業務の流れの中で活用できるか?
リーダーシップ研修がマネジャーの「スケジュールの負担」となってしまっては本末転倒です。日々の業務リズムに自然に組み込まれ、質問や課題が発生した瞬間にすぐアクセスできるツールを選びましょう。
その場で実践に活かせる洞察を提供できることが理想です。
確認すべきポイント:
- コーチングはいつでも利用可能ですか? それとも決まった時間だけですか?
- 重要な会話や面談の前後など、リアルタイムで使えますか?
- 短時間・高頻度での活用を促す仕組みがありますか?
4. 組織全体にスケールできるか?
AIコーチングの大きな利点のひとつは、トップ層だけでなく、あらゆる人事リーダーにトレーニングを開放できる点です。ただし、その効果を最大化するには、幅広いレベルや職種に対応できる設計が必要です。
確認すべきポイント:
- プラットフォームは誰向けに設計されていますか? 上級幹部? それとも全レベルのマネジャー?
- 複数の部署や地域に展開する際の容易さは?
- 多様なチームに対しても、一貫したコーチング体験を保証できますか?
5. 使いやすく、定着しやすい設計か?
どんなに優れたプラットフォームでも、誰も使わなければ意味がありません。AIコーチングが「負担」に感じられないよう、直感的なデザイン・簡単な操作性・明確なガイドを備えたツールを選びましょう。マネジャーが自然に使いたくなる体験であることが理想です。
確認すべきポイント:
- マネジャーから見て、コーチング体験はどのように見えますか?
- 誰でもすぐに使い始められる設計になっていますか?
- 導入時のトレーニングやオンボーディングは用意されていますか?
- 利用状況や定着率を測定できるメトリクスはありますか?
リーダーも学び続ける必要がある
最高のリーダーシップ開発は、必ずしも会議室の中で起こるとは限りません。
むしろ、「その瞬間」にこそ起こることが多いのです。マネジャーは、課題が発生したその時に信頼できるサポートやアドバイスを得る必要があります。数週間後の研修やワークショップを待っている余裕はありません。
幸いにも、適切なAIリーダーシップ・コーチングツールを導入すれば、マネジャーは自信を高め、スキルを磨き、より良いリーダーへと成長できます。
Culture Ampの「AI Coach」は、研究に裏付けられた“ジャスト・イン・タイム”のパーソナライズド・コーチングを、使いやすい会話型AIインターフェースで実現します。
あらゆるレベルのマネジャーが、実際の職場シナリオに基づいた助言と提案を受けることができ、より明確な方向性と自信を持ってチームを導けるようになるのです。
📅 関連ウェビナーのご案内
AI×Manager Development ─ AIはマネジャーをどう支援できるか
- 日時:2025年11月27日(金)12:00〜12:45
- 形式: オンライン(Zoom)/参加無料
- ナビゲーター: 野口麗奈(ラボラティック株式会社 代表)
- 対象: 人事、組織開発、現場マネジャー、経営層
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ラボラティック株式会社 広報担当
